http://www.unog.ch/frames/disarm/distreat/geneva3.pdf
以下,そのページを日本語にしたものですが,条約の名前などは原文直訳とは多少違った日本の名称使用慣行があると思われますので,名前は目安程度に考えてください.
1949/08/12
ジュネーブ協定I:陸上での傷病軍隊構成員の待遇改善
1949/08/12
ジュネーブ協定II:海上での傷病軍隊構成員の待遇改善
1949/08/12
ジュネーブ協定III:戦争犯罪人の処遇に関係
1949/08/12
戦時における文民保護に関するジュネーブ協定IV
1954/05/14
武力衝突に際しての文化的資産保護に対する協定
1959
南極条約
1963/08/05
部分的核実験禁止条約
1967/01/27
宇宙条約(大気圏外の探査及び使用での各国の活動を統括する原則に案する条約)
1967/02/14
トラテロルコ条約<ラテン・ アメリカ非核化条約>
1968/07/01
核不拡散条約(NPT)
1972/04/10
生物・毒素兵器禁止協定
1974/07/03
米ソABM(対弾道弾迎撃ミサイル)制限条約
1974/07/03
地下核実験の制限に関する米ソ間条約及び附属議定書
1976/11/10
環境改善技術の軍事的又はその他の敵対的利用の禁止に関する条約
1977/06/08
ジュネーブ条約(1949年8月12日)補則及び国際武力衝突による犠牲防止に関する議定書I
1977/07/08
ジュネーブ条約(1949年8月12日)補則及び国際武力衝突による犠牲防止に関する議定書II
1977/09/21
15か国の核供給グループによって採択された核移転に対するガイドライン
1978/12/18
月及び他天体上の活動を統括する合意
1995/10/12
過度に有害であるかまたは無差別的な影響を生ずると考えられる一定の通常兵器の使用の禁止又は制限協定
1985/08/06
南太平洋非核地帯条約
South Pacific Nuclear Free Zone Treaty (Treaty of Rarotonga), 6
August 1985
1993/01/13
化学兵器禁止協定
1992/04/03
核関連二重使用装置,物質及び関連技術移転についてのガイドライン
1993/04/01
核技術移転についてのガイドライン(1997年のガイドラインの再検討)
1995
1995年NPT条約関係国拡大会議で採択された決議
1995/12/05
東南アジア非核地帯条約
1996/04/11
アフリカ非核地帯条約
1996/08/10
包括的核実験禁止条約(CTBT)
核保有をめぐって,持っていい国,と持ってはいけない国が分けられ,持ってはいけない国に核が拡散しないように努力する条約.その上で,核保有国も軍縮を進めるという構造.1967年以前に核実験を行った国が核兵器国として認められ,それ以外はダメ.核不拡散という文字面だけ見ると,正しい話のようだが,前提が差別的.結果的に,5大国は持ってもいい国.下の核実験成功の年次を見てもわかるように,ようするに大国が出揃ったところでこれ以上は拡大しないとストップをかけたといわれても仕方がない.
保有国に対してはIAEAも査察を行わず,非保有国は,核物質を扱う全施設を申告させ,査察を行う.
尚,第6条には,核保有国に対して,厳密かつ効果的な国際管理のもとであらゆる面での核軍縮を進めるための交渉を誠実に遂行し完結させる義務があるという努力目標が掲げられている.この努力目標が誠実に実行されているのであれば,NPTは,1968年当時差別的であったとしても,核廃絶,少なくとも核軍縮に対して効果的であったと言えるだろう.段階的に,少しづつ,減らしていくためのその間に新たな核保有国を禁止していると解釈されるからである.しかし,現実には,これに類似した文言が,その後あらゆる決議,さらには1996年の国際司法裁判所の勧告文にも表れる.つまり,この義務は履行されていない.
1995年に無期限に延長されたということは,核保有是認国と,ダメな国の体制は引き続き存続するということ.しかし,これはとっくの昔に破綻している.1974年にインドは核実験を行っているし,その前に,インドもパキスタンもNTPの非加盟国.
日本は署名してからもしばらくの間,反核を言う政党のみならず,自民党内にもかなりの抵抗があったらしい.というのは,いうまでもなく,この体制が差別的であるから.いかに戦争に負けたとはいえ,このままずるずる欧米列強の意のままになるのか,といった心情であった由.それが一体どこで無くなったのかは不明.現在の日本国の見解は,NPT支持,未締結国には締結を呼びかけるのを責務としていると外務省の方針にある.
そのほかにも,イスラエルなど保有が確実視されている国もある.
内容の問題もさることながら,44か国の批准を条件として,の条件が非常に難しい.→条約署名国と批准国
包括的という名前のわりには問題点はいろいろあるのだが,とりあえず,大気中,水中,宇宙,地下で「すべて」かと思っていたら,「未臨界核実験」というものがあらわれてしまった.1997年7月にアメリカが強行.CTBT違反ではないとしている.また,NTP体制が維持されている限り,核兵器保有そのものの合法性は変わらない.実際,保有国の未臨界実験に対する言い分は,保有している核兵器の危険性をチェックするためなどとされている.
第一,これは実験がなくなるだけの話だ.
カットオフ条約の交渉については,1995年にNPT(核不拡散条約)が無期限延長された時,CTBT(包括的核実験交渉)の調印と共に,付属文書に盛り込まれていたが,交渉開始の合意がなかなか立たなかった.1998年8月11日に,ジュネーブ軍縮会議本会議で,この交渉を行う特別委員会の設置が決定.実質的交渉は1999年1月からの予定.
核保有国は,核保有国の貯蔵原料を対象外にしようとしているが,当然のことながら非核保有国はこれに反対.また,「核保有国」というのが,実際どの国を指すのか,例えば,インド,パキスタンはこれに含まれると解釈するのだろうか,も見物.
交渉開始の経緯を見ても,核保有国は,いわゆるNPT体制を堅持するために,この条約を進めようとしているが,対象領域の設定によっては,全面的に核兵器時代の後退をもたらす可能性はある.
従って,争点は,生産禁止の適応範囲. 核兵器保有是認国という特権をどうするのか,に対する世界的な合意がない限り,どんな条約が締結されようとも,反発する国は出てくるものと考えられる.なぜなら,核兵器保有国だけが核兵器を持ち,威嚇に使用していい権利を,一体誰が与えたのだに答えられる人は誰もいないから.
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