国際司法裁判所にて核兵器の違法性を問う裁判が行われた際の,市長の口頭陳述.
宣言文等と違い,原爆について非常に詳しく説明されているので,妙な引き方をして申し訳ないのだが,あまり知らない人にとっては,格好のイントロになります.
しかしそれよりなにより,訴える力を持った文章を書ける人がここにいたことは,日本人にとってなんとした幸運だったのだと言わずにはいられない.
「政治家と軍人と科学者が協力して原子爆弾を開発し,それを人間の上に実際に投下することによって,核時代は始まったのです.」という認識は,核兵器が人と共存すべきものではないことを説得的に結論できるたった一つの入口なのではないのだろうか.
広島市の公式ホームページ
http://www.city.hiroshima.jp/japanese/menu.html
**ついでながら,このページには,各国核実験に対する広島市からの抗議文が集められている(1996年以降).
勿論ここにあるのはごく一部で,ここまでの間のものはまだ紙のままなのであろうと思われる.いつだったか,NHKの番組で広島が打電した抗議の電報の紙をスタジオ一杯に広げていたことがあった.抗議の量化は不可能だとしても,これだけの想いが確かに存在し踏みにじられていたことを証して余りあるものがあった.
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