日本では米軍が95年から96年に鳥島でこれを発射し,それが1年以上た
って,ワシントン・タイムスに抜かれてから,ようやく明らかになったがこと
がある.その時,新聞紙上は,米軍発のコメントを受けて「人体にはほとんど
影響ない」みたいな論調だったが,そんなものではないとはあちこちで書かれ
ている.
▼97/02/13 (同時代を撃つ)
「劣化ウラン弾誤射事件」と湾岸戦争の接点、米軍発表の「危険なし」を信じてはいけない
http://www.iijnet.or.jp/wgendai/TACHIBANA2-IGIARI/IGIARI970213.html
▼96/11/08 (同時代を撃つ)
アメリカは先天性異常のある子供を生む危険な「劣化ウラン弾」の製造を止めろ
http://www.iijnet.or.jp/wgendai/TACHIBANA2-IGIARI/IGIARI961108.html
この団体は,トマホークは弾頭部分に重しとしてDUを使っていると指摘している(Sunday
Herald Glasgo, Scotland, 04/04/99)
DUの資料集と報告" DU Case Narrative "
http://www.miltoxproj.org/action/ducasenarr3.html
The International Action Center, a group that opposes the use of depleted-uranium
weapons, called the
Pentagon's decision to use the A-10 "Warthog" jets against targets
in Kosovo "a danger to the people and
environment of the entire Balkans."
IACが非難した「Pentagon's decision」はA-10の使用.A-10は湾岸戦争で劣化ウランを使った航空機として知られているから,そこから論理的には同じように劣化ウランが使われているだろうということ.
NGO軍縮委員会のHPから辿ってもこの記事はないので,どうもML等で配信されたのか?
NATO軍は劣化ウランを空爆の中で使い始めたか,始めるだろうと言っている.
劣化ウランは,A-10 Warthog jets,Apacheヘリコプター,M-1アブラムス,ブラッドレー戦車に搭載されていること,ユーゴがニュースで「放射性爆弾」がNATO軍によって発射されたと4月1日に言っていることが書かれている.
NATO forces have commenced or will shortly commence their use of depleted
uranium weapons in their air campaign over Kosovo. Depleted uranium is
used in a number of armor-piercing anti-tank munitions, such as those
aboard American A-10 Warthog jets and Apache helicopters, and M-1 Abrams
and Bradley tanks. Yugoslav state news media have referred to "radioactive
bombs" being launched by NATO (report broadcast on MSNBC, April
1). There is a strong likelihood that the weapons referred to are composed
of depleted uranium (DU).
転載:Proposition One http://www.un.org/ga/media.htm
The next one will be an A-10 aircraft with a Maverick electro-optical
guided missile on a bridge.
弾頭は通常のもので,DUじゃないと言っている.
Boston Phoenixというアメリカの雑誌の記事.
NATO wants to protect Kosovo's Albanians. But are its planes sowing
their farmlands with toxic bullets?がサブタイトル.
NATOはコソボのアルバニア系住民を守りたい.しかしその飛行機は農地に毒の弾丸を撒くのか.
サブタイ通り,守りたいといっているのに,その農地に,NATO軍は,多分毒だろうと言われている物質をまき散らす可能性があると言われている.その物質は劣化ウランである.
ペンタゴンは,劣化ウランが湾岸戦争症候群を作ったことはありそうにないと言っているし,劣化ウランがコソボで使われたとの確証もない.しかし専門家は劣化ウラン弾はほとんど間違いなくコソボで使われるだろうと信じている.そして,劣化ウランについての研究は続けられ,その中で一つだけ明らかなことがある.それは,この安全性は引き続き不明であるということだ.
以下,劣化ウランとは何かについての記事が続き,その後で,これまでのペンタゴンの説明,つまり,私たちは今使っている兵器について詳しく話さない,が語られる.
"We are not going to talk about specific weapons we are using"
"Whether we are using that specific round or not, I don't want to get
into a discussion of that"
NATOがユーゴ向けに放射性爆弾を使用しているかもしれないというロシア外務大臣の発言を引用.
外務大臣の話によれば,コソボのいくつかの地点で,専門家が大気中,地上で強化放射線レベルが検出している.これはNATOが放射能物質を含む兵器を使ったということかもしれないといい,この示唆は劣化ウランを含むものをNATO航空機が使っているのではないかという未確認情報と同じように響く.
しかし米国防省はこれを否定.しかし労働党議員Tam DalyellはBBCに対して,劣化ウランの使用は可能性以上だと考えていると言っている.
コソボで使われているA-10は1991年のイラク軍攻撃でも使われた.
ここでは劣化ウラン製の30ミリ砲を放った.
(であれば,A-10の使用はまたこれを使っていることではないのか,の推論のもと)
A-10使用決定に反対するInternational Action Centerの談話が引用される.
その後,湾岸戦争症候群についての記載があり,米国防総省の劣化ウランとこの症状に関係があるという証拠はないとの最近の発表がまとめられている.
BBCのこのサイトは,関連記事として湾岸戦争症候群のことも載っている.
“アパッチ”ヘリコプター24機がアルバニアに今週末に到着.
その中で,このヘリを使えば,30ミリ砲等を使うことになって,その砲弾は劣化ウラン製の硬い弾丸で,戦車の厚い壁をぶっちぎる能力があるのだとある.
Using the Apaches, armed with a 30mm cannon, 70mm rockets and 16 Hellfire
missiles designed to
knock out tanks and other armor, would also bring a new dimension to
the NATO strike force.
The cannon fires extremely hard bullets made of depleted uranium, capable
of cutting through the
thick steel skin of tanks. The helicopters attack both in daylight
and darkness with a two-man crew
equipped with special night-vision devices on their helmets.
Depleted uranium shells pose a long term threat to the people and
environment of the entire Balkans.
米国情報省がNATOに,ユーゴが核付の兵器に訴えている可能性があると警告した,というのを,ワシントン・タイムスが得たという記事.
ペンタゴンの推定では,2キロの高濃度ウラン(兵器適性の)がベオグラードから6キロ東南のthe Vinca Institute of Nuclear Sciencesに貯蔵されていている.しかし核爆弾の燃料にするには7キロ必要だ,ともある.
NATO軍の方の劣化ウランについては記載なし.
ワシントン発AP.
ユーゴは,伝えられるところによれば,兵器として使える科学物質を貯蔵していて,クリントン大統領は科学攻撃への迅速な対応を約束した.
(しかし)
ユーゴが爆弾にして使うという脅威はないし,ペンタゴンもそういう計画の情報はないと言っている.
(しかしのかかし)
ミロシェビッチはユーゴ崩壊前の共産政権時代の化学兵器プログラムの大部分を引き継いでいると信頼すべき情報筋は言う.
International nuclear inspectors are worried that 132 pounds of highly enriched uranium at the Vinca Institute of Nuclear Science, 10 miles from Belgrade, Yugoslavia, may be used improperly or may be hit by an errant NATO missile.
ユーゴにある高濃度ウラニウムが,不適切に使われたり,NATOのミサイルに誤って当たったりするかもしれないことを核査察の専門家が心配している
4週間の爆撃は,セルビア軍の軍備だけでなく,土地,空気,水..をも荒廃させている.そしてここには劣化ウラン部品の懸念が一貫してある.劣化ウランは,高密度の金属でこれを使えば装甲を効果的に突き破ることができる.しかしまた毒性があり,発癌性があり,放射性がある.1991年南イラクでの使用で引き起こされた健康問題の広がりは,イラク,及び退役軍人によって非難されている.
Unsurprisingly, nearly four weeks of bombing are wreaking havoc not
only on Serbia's military machine, but on its land, air and water as well....
And there is persistent concern over depleted uranium (DU) munitions. DU
is a very dense metal, which helps it to penetrate armour effectively.
It is also toxic, carcinogenic, and radioactive. It is blamed by the Iraqis,
and by some veterans, for a range of health problems in southern Iraq,
where it was used in 1991.
ところが,これをどこから引用するかが難しい.オンライン版でこの記事が追
えない! 「劣化ウラン」で引いても2月ごろまでのしか出ない.なにか違う
方法があるのかしら?
ヘッドラインの記事によれば,「6,7面に関連記事」とあるから,紙版ではも
っと詳細に知らされているのだろうと思う.MLでも記事全文が出回っていた.
とりあえず,AFP伝は,
「NATO軍が劣化ウランを使っていることをはじめて認めた,
と日本の新聞社が言っている」と伝えている.
http://asia.yahoo.com/headlines/210499/world/924694980-90421114320.newsworld.html
PARIS, April 21 (AFP)
NATO has confirmed for the first time it is using depleted uranium
ammunition in air strikes agaist Yugoslavia, a Japanese newspaper reported.
また共同通信も配信している.
共同通信の方は,記事全文を載せないようで,検索で引くと以下のようなヘッ
ドだけがでる.
http://www.kyodo.co.jp/k2sform.html
・4月21日 空爆で劣化ウラン弾使用 NATO軍当局者....
で,何を伝えているかと言うと,
NATO軍の軍事報道官(ジュゼペ・マラニイタリア空軍准将)が,20日毎日新
聞に対して,NATO軍の米軍機が,「劣化ウラン弾」を使用していることを認
めた.
・使っているのは米軍機だけで,他国の戦闘機は装備していない.
・対戦車攻撃は劣化ウラン弾が最も効果的
・使われているのは,米軍が投入したA10爆撃機,F15戦闘機から発射される
30ミリ砲,ガトリング砲などの砲弾
・95年のボスニア内戦でも戦車攻撃に大きな成果を上げている(ボスニアでの
セルビア人勢力攻撃での使用が認められたのははじめて)
劣化ウランがどうして使われるかと言えば,核で被害を出そうというのではな
く,准将も言うように,これを使うと貫通力の高い装備が出来るんだそうだ.
しかし,そうは言っても放射性物質には違いなくて,その害はある.それが湾
岸戦争以来問題になっている兵士の体調不良の原因ではないかと今まで議論さ
れてきた.各種団体は多分そうだろうと言っているが,米国は,つい2週間ぐ
らい前に,因果関係は認められないと発表している.日本人ならだいたい察し
がつくように,だいたいいつも,放射性物質と人間の体調不良(そんな簡単な
問題ではないわけだが)は,「因果関係が認められない」と言い続けられてい
るわけで,それがそのままここにもある.
実は,劣化ウランについては,先週書こうと思っていた.どうしてかというと
,アメリカの国防省発信のブリーフィングの中で,質問者が,A10は行ったの
か,A10はどうなんだと聞いていた.答える側は,ボクに答えられるのはここ
まで,と何か奇妙な反応だった.私はA10と劣化ウランの関係を知らなかった
.そのうち,あちこちのNGOの団体のページで要するにA10使用はかなりの確
率で劣化ウラン弾の使用に繋がるということが知れた.
と,この2週間ぐらい,湾岸戦争症候群の原因が劣化ウランかどうかはわから
ない,とアメリカ発の報告書があったかと思えば,次には,「セルビアに核疑
惑」が米国の新聞で小さな記事になっていたりした.記事内容があまりに雑な
ので,つまりこれは,仮に土壌に放射性物質が残ったとした時の「押さえ」作
りか? と読めないこともない...など考えていた.
この件に関して,毎日は金曜日になってもやっぱりオンライン版からは引けな
い.また他誌の報告も見つけられない.
英文で読める記事では,劣化ウラン臭いぞ,までは出ていたが,この毎日の記
事,つまり確認が出てこないようだ.上記AFP以外にはこれまでのところ見え
ない.
PARIS, April 21 (AFP) -
April 21: NATO confirms that it is using depleted uranium ammunition
in air strikes. Two NATO missiles smash into the headquarters of Yugoslavia's
ruling Socialist Party, causing casualties.
Subject:
RE: ZNet Update -- Stop The Killing Train...
Date:
Sat, 24 Apr 1999 18:13:19 +0100
> Why don't you talk about the use of depleted uranium, which is comfirmed
> by a Nato official on Apr. 21st ?
Sure no one denies using it, but I sincerely doubt it is deadly, as
some
people claim.
I suspect it is no worse than other pollutants...the mere name uranium
doesn't mean it is deadly. Those I have asked whose opinion I respect,
and
who actually have knowledge with which to judge say it is no worse
than car
pollution in san diego, for example.
劣化ウランの毒性について疑いを持っているのだそうだ.でもって,他の公害,例えばサンディエゴの公害と変わらないのじゃないかと思っている由.
Znetは,チョムスキーなどが寄稿するので有名なオンラインの雑誌.
仮に公害の一種と一緒だとしても,それを他人の土壌でやらないでもらいたいもんだ.
毎日新聞は,21日付けで,自身宛てでイタリアの将校が劣化ウラン使用を認め
た記事を配信している(上記参照).しかしそれには一切触れず,26日の会見
でNATOスポークスマンが劣化ウラン弾使用を認めた記事を27日にアップ.こ
れはどういうことなんだ?
27日記事によれば,スポークスマン,コンラッド・フライターク大佐は,
・劣化ウラン弾が高い貫通能力を持つことを指摘し,主に戦車攻撃に使用している
・米国は主にA10攻撃機用に弾丸(劣化ウラン弾)を生産している
・弾丸には劣化ウランが含まれるが,ミニ核兵器のように考えるのは誤りだ
と言っている.
米国防総省が昨年夏から今春にかかて公表した報告書では,劣化ウランと湾岸
戦争症候群との因果関係は立証できないとされている.従って,害があるって
わけではない劣化ウランは今後も使われるということ.
有毒物質であり,戦場を汚染する可能性がある.
しかし,
湾岸戦争症候群との関連は見あたらない(しかしさらに関連を分析する)
・使われているのはA-10の30ミリ(機関砲)
・長い間A-10のまわりにいて,弾薬取扱者が弾丸を飛行機に装填うるのを見ている.それは20年間続いている.
・科学的な研究が行われていて,問題となるべきことはなにもない.何の問題もない.ニュースは旧聞に属する.
・実際に射撃もしている.
DoD News Briefing
Monday, May 3, 1999 - 2:00 p.m.
Mr. Kenneth H. Bacon, ASD PA
Q: General, there's been some concern raised in Europe about the possibility
of A-10s using the depleted uranium munitions, especially when they go
after the armor. Are we using any of these munitions now against the...
Major General Wald: Yes. And the 30mm on the A-10. I think it's almost
-- I've heard that question a lot, and I've been thinking about it. I've
been around the A-10s for a long time. I know that I see the munitions
handlers put these bullets in the aircraft, holding on to them for 20 years,
so they've done a lot of scientific studies on these things, and there
doesn't seem to be a problem. So I don't think there's a problem at all
with that, and it hasn't been a problem for any of us, so it's kind of
old news.
WISE Uranium Project (Germany)
http://antenna.nl/wise/uranium/index.html