コーエン米国防長官の会見1998/07/09



コーエン国防長官は,1998年7月はじめに国防省のプレスルームで行った記者会見で,「日本の人や,日本の政府が米国の駐留を続けるべきではないと言ている証拠を私は見たことがない」と言っている.

http://www.defenselink.mil/news/Jul1998/t07091998_t709kore.html
(国防省のページ.原文はここに収録されている)(英語)

この質疑応答は,韓国の国防相との会談後に行われたもの.記者が,ワシントンのあるシンクタンクがアジア政策についての提言をまとめ,その同じ主旨で,細川護煕元首相がある論文の中で日本国民は米軍の段階的撤収を求めていると書いたことについて触れ,それに対して答えたもの. 以下その部分のみ訳載.

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と,この様子を,日本の新聞は,
 

という具合に伝えていた. 「形跡がない」と,「証拠がない」にどれだけの違いがあるのかは難しい問題だとは思うが,原文は,

I haven't seen any evidence....

である.形跡がない,の方がもっともらしく格調高く,そうしてさりげないが,上記訳文の内容でもわかるように,発話者コーエン国防長官は,「そんなの,みたこともない!」といった調子で言っているのだから,「そんな証拠はどこにもないね!」の方が訳文として適切だと考え,私は,「証拠がない」と採用しました. 


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