http://www.defenselink.mil/news/Jul1998/t07091998_t709kore.html
(国防省のページ.原文はここに収録されている)(英語)
この質疑応答は,韓国の国防相との会談後に行われたもの.記者が,ワシントンのあるシンクタンクがアジア政策についての提言をまとめ,その同じ主旨で,細川護煕元首相がある論文の中で日本国民は米軍の段階的撤収を求めていると書いたことについて触れ,それに対して答えたもの. 以下その部分のみ訳載.
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私たちは地球上の様々な地域に配置されているが,私たちは,ホスト国政府の要求と同意のもとにそこにいる.ホスト国政府,この場合では韓国は,韓国の安全に対して共に働き責任を分担する我々の戦闘力を持つことが,彼らの利益と私たちの利益だということを信じている.私たちはそれは続けられるべきだと考えるし,もう一度いうけど,二つの朝鮮が統一されたとしても,続けられるべきだ.
日本に関していえば,繰り返しになるだろうけど,私たちは日本国政府のリクエストで,日本の人々のサポートによって,そこにいる.私たちは,その地域全体の安定のために大いに貢献していると信じている.率直に言って,もし日本の人々がもう米国に駐留を続けてほしくないと望んでいるとするなら,私はちょっと驚くでしょう.現状では,私たちの駐留がなければ不安定になるだろう地域での安定を維持する点からみれば,むしろ,彼らは私たちにいてほしいのだろうと私は考えています.
私は,日本の一部の人々や日本国政府のが,米国は駐留を続けるべきではないと言っている証拠を見たことがありません.沖縄の人々によって起こされている懸念はあります.私たちは,沖縄の人々の懸念を考慮に入れて訓練を減少させることによって,いわゆる,我々の影響力のサイズを小さくすることによって,それらの懸念に対してきました.
しかし,私は,日本の人々や政府がアメリカ軍が去るのを見たがっているという証拠を,おそらく何ひとつ見たことはないでしょう.そんなことをすれば,安定を増すどころか,損なうかもしれないやり方に入り込むかもしれないし,多分そうなるでしょう.
そういうわけで,私は,日本の人々の一部,あるいは韓国の政府,韓国の人々のどちらでもが,米軍のサイズや能力を削減するのを求めているという主張を支持する証拠を見たことがありません.
と,この様子を,日本の新聞は,
I haven't seen any evidence....
である.形跡がない,の方がもっともらしく格調高く,そうしてさりげないが,上記訳文の内容でもわかるように,発話者コーエン国防長官は,「そんなの,みたこともない!」といった調子で言っているのだから,「そんな証拠はどこにもないね!」の方が訳文として適切だと考え,私は,「証拠がない」と採用しました.
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